自由診療はただ単に高価で質の高い歯科材料を使えたり、インプラントや矯正ができるというだけではなく、”お一人おひとりにしっかりと時間を確保できる”というメリットがあります。

院長より
*歯科治療において、「自由診療=高価な歯科材料が使える」「インプラントや矯正が可能」というイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし、自由診療の最大のメリットは、「お一人おひとりに十分な時間を確保し、精密かつ丁寧な治療を行えること」にあります。十分な診査・診断時間を確保し、最適な治療計画を立案できる、精密治療のために必要な「時間」をかけることができる、保険診療では実施が難しいレベルの「クオリティ」を追求できるといったことから、自由診療を選ばれる方は増加傾向にあります。このページでは、自由診療がもたらす治療時間の確保と、それによる精密診断・治療の向上、そして患者様の長期的な利益について詳しく解説します。

1. 時間が治療の質を決定する

保険診療と自由診療の時間配分の違い

保険診療では、限られた診療報酬制度のもとで短時間の診療を繰り返す形式が主流です。その結果、1人あたりの診療時間は短くなり、治療の選択肢や精度に制約が生じることが多いのが現実です。

診療内容 保険診療(平均) 自由診療(平均)
初診カウンセリング 5~10分 30分~1時間
精密検査・診断 簡易検査(レントゲン・視診) CT・マイクロスコープ・咬合診断・細菌検査
根管治療 1回あたり30分未満(複数回治療) 1回あたり60~90分(精密根管治療)
被せ物(クラウン)の形成 20~30分 1時間以上(適合精度の向上)
1回の診療時間 15~30分 60分以上(場合により90分~120分)

「自由診療では、1回の診療時間を長く確保できるため、より精密な診査・診断、丁寧な治療が可能になる」

2. 十分な診療時間がもたらす具体的なメリット

精密診断の実施

  • CT・マイクロスコープ・咬合診断などを活用し、正確な診断を行う
  • 時間をかけた診査により、患者様ごとの最適な治療計画を立案できる

「診断精度が上がることで、無駄な治療を避け、最適な治療結果が得られる」

歯を削る量を最小限に抑える(MI治療)

  • 拡大視野(マイクロスコープ)を活用し、最小限の侵襲で治療が可能
  • 歯を削る際に慎重に進めることで、健康な歯質を最大限保存できる

「時間をかけた治療により、歯の寿命を延ばすことができる」

根管治療(精密エンド)の成功率向上

  • マイクロスコープ・ラバーダムを使用し、感染源を徹底除去
  • 根管内の清掃・消毒に十分な時間を確保できる

「治療の成功率が向上し、再発リスクを大幅に低減できる」

被せ物の適合精度向上

  • シリコン印象・光学スキャナーを用いた精密な型取り
  • 適合性の高い補綴物(セラミック・ジルコニア)を作製

「時間をかけて精度を高めることで、長持ちする補綴物を提供できる」

3. 治療のクオリティを最大化するための時間の使い方

1回の診療時間を長く確保

  • 自由診療では、1回の診療に60~90分の時間を確保することが可能
  • 短期間で集中的に治療を進め、来院回数を減らせるメリットも

予防・メインテナンスに時間をかける

  • スウェーデンなどの予防歯科先進国では、定期的なメインテナンスが歯の寿命を延ばすと証明されている(アクセルソン博士の研究)
  • GBT(Guided Biofilm Therapy)を活用し、歯周病のリスクを大幅に低減

「メインテナンスに十分な時間を確保することで、予防の効果を最大化できる」

4. 自由診療の時間的メリットを活かした治療が向いている人

  • できる限り歯を削らず、長持ちする治療を希望する方
  • 根管治療の再発を防ぎたい方(精密根管治療を希望する方)
  • 噛み合わせのバランスをしっかり調整し、顎関節症や咬合異常を改善したい方
  • 審美歯科治療(セラミック治療・ホワイトニング)を精密に行いたい方
  • 予防歯科を重視し、将来の健康な口腔環境を維持したい方

5. まとめ ~ 時間をかけた治療がもたらす長期的なメリット

  • 自由診療では、1人の患者様に十分な診療時間を確保できるため、診断・治療の精度が飛躍的に向上する
  • 精密治療(根管治療・補綴治療・咬合調整など)を行うことで、再発リスクを低減し、歯の寿命を延ばせる
  • 短期間で集中的に治療を進めることができ、患者様の負担を軽減できる
  • 長期的なメインテナンスを通じて、将来的な治療費の削減にもつながる

「自由診療の最大のメリットは、高品質な材料だけでなく、”時間”を確保できることにあります。」