ラバーダム防湿 ~ 歯を唾液や細菌から隔離して根管治療・精密歯科治療の成功率を高める必須技術

院長より
*ラバーダム防湿とは、治療中の歯をゴムのシート(ラバーダム)で覆い、治療部位を唾液や細菌から隔離する歯科治療の技術です。特に根管治療や精密な歯科治療において、細菌の侵入を防ぎ、成功率を高めるために不可欠な技術とされています。しかし、日本の歯科治療ではラバーダムの使用率がまだ低く、多くの歯科医院ではラバーダムを使用せずに根管治療が行われているのが現状です。その結果、細菌の侵入による治療の失敗や再感染が起こりやすくなり、治療後に抜歯を余儀なくされるケースも少なくありません。当院では、すべての根管治療、精密な歯科治療でラバーダム防湿を必ず使用し、治療の成功率を飛躍的に高めています。本ページでは、ラバーダム防湿のメリット、適用される治療、当院の取り組みについて詳しく解説します。

1. ラバーダム防湿の基本原理と仕組み

ラバーダム防湿は、ゴム製のシートを用いて、治療部位を口腔内の唾液や細菌から完全に隔離する技術です。

基本的な手順

  • ラバーダムシートの装着
    特殊なクランプ(留め具)を使い、治療する歯にラバーダムを固定。口腔内の他の部分から歯を隔離。
  • 唾液や細菌の侵入を防ぐ
    口腔内の細菌が根管や治療部位に侵入するのを防ぎ、無菌環境を維持。
  • 治療精度の向上
    余分な水分や血液を排除し、接着処理や消毒の精度を向上。器具が滑らず、安全に精密治療を実施できる。

2. ラバーダム防湿を使用する理由

① 根管治療の成功率を大幅に向上

根管治療(歯の神経の治療)では、細菌の侵入を徹底的に防ぐことが治療の成功率を左右します。ラバーダムを使用しないと、唾液や細菌が根管内に入り込み、治療の失敗や再発のリスクが高まります。

ラバーダムの効果

  • 治療部位を完全に無菌状態に保つ
  • 唾液や血液の混入を防ぎ、消毒効果を最大化
  • 薬剤やMTAセメントが正しく機能し、封鎖性が向上

② むし歯治療・レジン充填の接着強度を向上

コンポジットレジン(樹脂)を用いたむし歯治療では、歯の表面に水分が付着していると接着不良が起こり、詰め物が脱落しやすくなるため、ラバーダム防湿が重要になります。

ラバーダムの効果

  • 歯の表面を完全に乾燥させ、接着強度を最大化
  • 唾液や湿気の影響を受けず、治療の耐久性が向上
  • レジン充填のやり直しリスクを減らし、長持ちする治療が可能

③ 治療中の誤飲・誤嚥を防ぐ

ラバーダムを使用すると、治療器具や薬剤が口腔内に落下するのを防ぎ、誤飲・誤嚥のリスクを大幅に低減できます。

3. ラバーダム防湿の適用治療

① 根管治療(精密根管治療・マイクロエンド)

  • 感染リスクを抑え、治療の成功率を向上
  • 根管の消毒を効果的に行い、再発リスクを低減
  • MTAセメントなどの充填材の効果を最大限に発揮

② むし歯治療(コンポジットレジン充填)

  • 詰め物の接着を最適化し、脱落リスクを軽減
  • 詰め物の耐久性を向上させ、長期間安定した治療が可能

③ 歯髄保存療法(神経を残す治療)

  • 歯髄の感染を防ぎ、保存できる可能性を高める
  • MTAセメントを用いた治療の成功率を向上

4. 当院のラバーダム防湿を活用した治療の特徴

① すべての根管治療でラバーダムを使用

  • 日本歯周病学会 歯周病専門医の院長が診療
  • マイクロスコープを併用し、精密な診断と治療を実施

② 接着治療の成功率を最大限に高める

  • コンポジットレジン充填の際にラバーダムを使用し、治療の精度を向上。
  • 詰め物・被せ物の接着強度を高め、長持ちする治療を実現。

③ 世界基準の治療を提供

  • アメリカ歯内療法学会(AAE)では、根管治療におけるラバーダム使用が必須
  • 当院では欧米の最新ガイドラインに基づき、徹底したラバーダム防湿を実施

5. まとめ ~ ラバーダム防湿は治療成功率を大幅に向上させる必須技術

ラバーダム防湿は、根管治療、むし歯治療、歯髄保存療法など、さまざまな歯科治療の成功率を飛躍的に向上させる技術です。

「根管治療の成功率を高めたい」「再発しにくい治療を受けたい」とお考えの方は、ぜひ当院へご相談ください。