
丁寧な説明と同意 ~ 患者様主体の歯科治療を実現するインフォームドコンセントの重要性
院長より

インフォームドコンセント(説明と同意)とは?
インフォームドコンセントの基本構成
インフォームドコンセント(Informed Consent)とは、「説明を受けた上での同意」を意味し、患者の意思決定を尊重する医療行為の基本概念です。特に歯科治療では、むし歯・歯周病の治療法、補綴治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)、矯正治療、外科処置(抜歯・歯周外科)など、さまざまな選択肢があり、患者自身が納得した治療を選択することが求められます。
- 治療の必要性(なぜ治療が必要なのか)
- 治療の選択肢(複数の方法とその違い)
- 各治療のメリット・デメリット(成功率・リスク・副作用など)
- 治療期間や費用について
- 治療を受けなかった場合のリスク(放置するとどうなるか)
歯科治療には、必ずしも一つの正解があるわけではありません。例えば、むし歯治療においても、詰め物・被せ物・抜歯・根管治療など、複数の選択肢が考えられます。それぞれの方法について適切に説明し、患者が理解したうえで治療を選べるようにすることが、インフォームドコンセントの本質です。
インフォームドコンセントが必要な理由
- 患者の権利を尊重し、医療トラブルを防ぐ
- 治療の選択肢を明示し、最適な治療計画を立案できる
- 患者の理解度を高め、不安を軽減することができる
「治療を受けるかどうかを決めるのは患者自身であり、そのために医師が十分な情報を提供する必要がある」
歯科治療におけるインフォームドコンセントの実践方法
丁寧な説明を行うためのポイント
- 専門用語をできるだけ使わず、分かりやすい言葉で説明する
- 図・模型・CT画像・動画などの視覚的資料を活用する
- 患者の疑問や不安を十分にヒアリングする
治療の説明は、ただ情報を伝えればよいというものではありません。患者の理解を助けるために、専門用語を避け、日常的な表現を使うことが大切です。また、視覚的な資料を活用することで、より分かりやすく伝えられます。
患者に納得してもらうためのコミュニケーション
- 「何か分からないことはありますか?」とこまめに確認する
- 治療法の選択肢を示し、患者の価値観やライフスタイルに合わせた提案をする
- 「無理に決める必要はないので、一度考えてから決めましょう」と冷静な判断を促す
医師が一方的に決定するのではなく、患者が自分の意思で選択できるようにすることが大切です。そのためには、押しつけるのではなく、患者が納得して選択できるようサポートする姿勢が重要になります。
インフォームドコンセントの課題と対策
患者が理解しづらい説明になってしまう
- 視覚的資料を活用し、できるだけ簡単な表現を用いる
- 「たとえば○○のようなイメージです」と具体例を示す
治療を急いで決めさせてしまう
- 患者に十分な時間を与え、焦らず選択できる環境を作る
- 「次回までに考えておいてください」と猶予を持たせる
説明したつもりでも、患者が理解していない
- 「ここまでの説明で不明点はありますか?」と確認する
- 患者に説明を復唱してもらうことで、理解度を確かめる
診療の流れにおけるインフォームドコンセントの実践例
初診時
- 患者の主訴を丁寧にヒアリング
- 口腔内検査・レントゲン・CT撮影を行い、現状を説明
- 治療の選択肢を提示し、初期プランを立案
診断と治療計画の説明
- むし歯・歯周病・補綴治療・矯正治療の選択肢を提示
- 治療の期間・費用・メリット・デメリットを明確に説明
- 患者が納得した治療方針を決定し、同意書を作成
インフォームドコンセントを徹底する歯科医院の特徴
- 患者の話をじっくり聞き、一方的な説明にならない
- CT画像や模型を活用し、分かりやすく伝える工夫をしている
- 選択肢を明確に示し、患者が納得できるよう配慮する
- 無理に治療を進めず、患者の意思決定を尊重する
- カウンセリングに十分な時間を確保し、質問しやすい環境を作る
まとめ ~ 「丁寧な説明と同意」が歯科治療の質を高める
- インフォームドコンセントは、患者の権利を尊重し、納得のいく治療を受けるために不可欠
- わかりやすい説明・選択肢の提示・患者の意思の尊重が重要
- 適切なコミュニケーションにより、信頼関係を築き、医療トラブルを防ぐ
「患者が安心して治療を受けられるよう、歯科医院はより丁寧な説明と同意を徹底することが求められます。」
質の高い歯科医療を受けるために、信頼できる歯科医院を選びましょう!