GBTメインテナンス 〜 EMSエアフローによるパウダーメインテナンスの提供

院長より
*口腔の健康を維持するためには、むし歯や歯周病を未然に防ぐための定期的なメインテナンスが不可欠です。従来の歯石除去(スケーリング)やPMTC(プロフェッショナルクリーニング)も有効ですが、近年注目されているのが、EMS社が開発した「エアフロー(AIRFLOW®)」を用いた「GBTメインテナンス(Guided Biofilm Therapy)」です。GBTメインテナンスとは、従来のクリーニングと異なり、歯石や着色汚れだけでなく、歯周病やむし歯の原因となる「バイオフィルム(細菌の集合体)」を、徹底的かつ低侵襲に除去する最新の予防プログラムです。EMSエアフローでは、従来の超音波スケーリングよりも歯や歯ぐきを傷つけずにクリーニングが可能で、歯周ポケットの深部まで、専用のパウダーを用いたパウダーメインテナンスを提供します。痛みや違和感を抑えながら、より精密で確実なバイオフィルム除去が可能な、全く新しいクリーニングです。このページでは、GBTメインテナンスの具体的な施術内容、EMSエアフローの特長、他のクリーニングとの違い、最新の歯周病予防への応用について詳しく解説します。

1. GBTメインテナンスとは?

① GBT(Guided Biofilm Therapy)の概要

GBTとは、歯科医師・歯科衛生士が科学的根拠に基づいて行うバイオフィルム除去のためのプロトコルであり、以下の8つのステップで構成されています。

  • 診査(Assessment):口腔内の状態をチェックし、リスク評価を行う
  • 染め出し(Disclosure):プラーク(バイオフィルム)の可視化を行う
  • 患者説明(Motivation):患者様に磨き残しの状態を説明し、ブラッシング指導を行う
  • エアフロー(AIRFLOW®):専用のパウダーと水を用いて、歯や歯ぐきの汚れを優しく除去
  • ペリオフロー(PERIOFLOW®):歯周ポケットの深部やインプラント周囲のバイオフィルムを除去
  • ピエゾン超音波(PIEZON®):必要に応じて歯石を除去
  • 最終チェック(Final Check):口腔内の状態を再評価
  • メンテナンスプランの立案(Recall):次回のメインテナンス計画を決定

この一連の流れにより、従来のクリーニングでは取り切れなかった歯の表面・歯周ポケット内・インプラント周囲のバイオフィルムを、最も低侵襲かつ確実に除去することが可能となります。

② EMSエアフローとは?

EMSエアフローは、スイスのEMS社が開発した最新のエアパウダーテクノロジーを用いたクリーニング機器です。従来のスケーリングとは異なり、水と微粒子のパウダーを高圧で吹き付けることで、バイオフィルムや着色汚れを短時間で効果的に除去できます。

  • 歯や歯ぐきを傷つけない → 超音波スケーラーよりも低侵襲で、痛みが少ない
  • インプラントやセラミックの補綴物にも安全に使用可能
  • 歯周ポケット内のバイオフィルムを効果的に除去

2. GBTメインテナンスと従来のクリーニングの違い

比較項目 従来のクリーニング GBTメインテナンス(エアフロー)
施術方法 超音波スケーラー・PMTC エアフロー・ペリオフロー・ピエゾン
対象部位 歯の表面・歯周ポケット浅部 歯の表面・歯周ポケット深部・インプラント周囲
痛み・刺激 歯石除去時の刺激が強い 低侵襲で痛みが少ない
バイオフィルム除去率 部分的に残存する可能性あり ほぼ完全に除去可能
施術時間 30~45分 40~60分

3. GBTメインテナンスの適応症例

① 歯周病の予防と管理

  • 歯周病の進行を防ぎ、歯ぐきの健康を維持
  • 従来のスケーリングで取り切れなかった細菌を除去
  • 歯周ポケットの深部まで効果的にクリーニング

② インプラント周囲炎の予防

  • チタン製のインプラント表面を傷つけずにクリーニング可能
  • 専用のペリオフローを使用し、深いポケット内のバイオフィルムを除去

③ 矯正治療中の口腔ケア

  • ブラケット周囲のプラークを短時間で除去
  • 歯石の沈着を防ぎ、矯正治療中のむし歯リスクを低減

4. まとめ ~ GBTメインテナンスのメリット

  • 従来のクリーニングよりも低侵襲で、痛みが少ない
  • EMSエアフローにより、バイオフィルムや着色汚れを徹底除去
  • 歯周病・インプラント周囲炎・矯正治療中のリスク管理にも最適
  • 歯科衛生士が専門的なプロトコルに基づき、安全かつ効果的に施術

「歯周病を予防したい」「インプラントや矯正装置のメンテナンスを徹底したい」という方は、ぜひ当院のGBTメインテナンスをお試しください。