
隣接面のむし歯について ~ 原因・診断・治療・予防策
院長より

隣接面のむし歯は、適切なセルフケアと早期発見・早期治療により防ぐことが可能です。このページでは、隣接面むし歯の原因、発生メカニズム、診断方法、最新の治療法、効果的な予防策について詳しく解説します。
1. 隣接面むし歯の発生メカニズム
隣接面むし歯は、歯の隣接面にプラーク(細菌の塊)が蓄積し、酸によって歯質が脱灰されることで発生します。以下の要因が重なると、隣接面でのむし歯リスクが急激に高まります。
① デンタルフロスの未使用
隣接面は歯ブラシだけでは清掃が困難なため、フロスを使用しないとプラークが蓄積し、むし歯のリスクが高まります。
- 歯ブラシだけでは隣接面の清掃は困難
- フロスを使用しないと、歯と歯の間にプラークが残り続ける
- プラーク内の細菌が酸を産生し、歯のエナメル質を溶かす(脱灰)
② 近接した歯並び(歯の重なり・叢生)
歯が重なっていたり、歯並びが不正な場合、隣接面にプラークが溜まりやすく、清掃が難しくなります。
- 歯が密接している部分は清掃が難しく、むし歯のリスクが高い
- 歯列不正(叢生・交叉咬合)があると、プラークが溜まりやすくなる
2. 隣接面むし歯の診断方法
隣接面むし歯は、目視だけでは発見が難しく、レントゲン診断が必須です。以下の診断方法が有効です。
① 視診
歯と歯の間の変色を確認します。
- 歯と歯の間の変色(白濁・茶色・黒色)を確認
② デンタルX線(バイトウィング法)
バイトウィングX線を使用すると、隣接面の透過像がはっきりと確認でき、早期発見が可能です。
- 隣接面むし歯の発見率が高い(歯と歯の間の透過像を確認)
- エナメル質の限局的な脱灰をチェックし、進行状況を評価
3. 隣接面むし歯の治療法
隣接面むし歯の進行度によって、治療方法が異なります。
① 初期むし歯(CO・C1)
初期段階では、フッ素を活用した再石灰化療法が有効です。
- フッ素塗布(歯の再石灰化を促進)
- フッ化物配合歯磨剤(1450ppm)を使用
- ダイレクトシーラント(フッ素徐放性材料でコーティング)
4. 隣接面むし歯の予防策
隣接面むし歯を防ぐために、日々のケアが重要になります。
① デンタルフロス・歯間ブラシの使用
フロスを毎日使用することで、隣接面のプラークを確実に除去できます。
- フロスを毎日使用し、隣接面のプラークを除去
- 歯間ブラシを併用すると、さらに効果的(特に歯周病のリスクがある場合)
② フッ素・再石灰化療法の活用
フッ素を活用すると、エナメル質の耐酸性を高め、むし歯の進行を抑えることができます。
- フッ化ナトリウム(NaF 1450ppm以上)を含む歯磨剤を使用
- 定期的に歯科医院でフッ素塗布を受ける
- CPP-ACP(リカルデント)を使用し、エナメル質を強化
5. まとめ ~ 隣接面むし歯を防ぐために
隣接面むし歯を予防するためには、毎日のセルフケアと定期的なメインテナンスが重要です。
- フロスを毎日使用し、隣接面のプラークを確実に除去
- フッ素と再石灰化療法を活用し、エナメル質を強化
- 定期検診で隣接面のむし歯を早期発見・早期治療