
インプラント治療 ~ 失った歯を補う治療法
院長より

インプラント治療とは?
インプラントの基本構造
インプラントは、主に3つのパーツで構成されます。
- フィクスチャー(人工歯根)
- チタン製のネジ状の構造で、顎の骨に埋め込む
- 骨と結合(オッセオインテグレーション)することで強固に固定される
- アバットメント(支台部)
- フィクスチャーと人工歯をつなぐ中間構造
- 精密な適合性が求められる
- 上部構造(クラウン)
- セラミックやジルコニア製の人工歯を装着
- 天然歯と同様の審美性と耐久性を持つ
この3つのパーツがそれぞれ適切に機能することで、天然歯と変わらない噛み心地を実現します。特にフィクスチャーが骨としっかり結合することが重要であり、その成功率を高めるためには、埋入後の適切な管理が欠かせません。
インプラント治療が適用されるケース
インプラント治療は、歯を失ったすべての人に適応されるわけではなく、特定の条件を満たした場合に行われます。
- 1本だけ歯を失った場合(単独インプラント)
- 複数本の歯を失った場合(ブリッジ型インプラント)
- 総入れ歯が合わない、しっかり噛みたい場合(オーバーデンチャー)
- 歯が抜けたまま放置すると、周囲の歯が傾いてしまう場合
「インプラントは、失った歯の本数や顎の骨の状態によって適応が異なるため、事前の診断が重要」
インプラント治療のメリット・デメリット
インプラントのメリット
インプラント治療は、従来のブリッジや部分入れ歯と比較して、審美性・機能性・耐久性において優れた点が多くあります。
- 天然歯と同じような噛み心地を得られる
- 見た目が自然で、審美性に優れる
- 隣接する歯を削る必要がなく、健康な歯を守れる
- 顎の骨が痩せるのを防ぐ(骨吸収を抑制)
- 適切なケアを行えば、10年以上使用できる
インプラントのデメリット
一方で、外科手術が必要である点や、治療期間・費用が他の補綴治療と比較して高くなる点も考慮する必要があります。
- 外科手術が必要(手術後の痛みや腫れが出ることがある)
- 治療期間が長い(3~6か月以上)
- 保険適用外のため、費用が高額になる
- 骨量が不足している場合、骨造成(GBR・サイナスリフトなど)が必要
- 全身疾患(糖尿病・骨粗鬆症など)がある場合、適応に制限がある
他の補綴治療との比較
治療法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
インプラント | 人工歯根を埋入し、独立した人工歯を装着 | 天然歯に近い噛み心地、長期間使用可能 | 外科手術が必要、費用が高額 |
ブリッジ | 両隣の歯を削り、固定式の人工歯を装着 | 比較的短期間で治療完了、固定式で違和感が少ない | 支台歯を削る必要がある、歯に負担がかかる |
部分入れ歯 | 取り外し式の義歯 | 費用が安い、適応範囲が広い | 違和感が強い、噛む力が弱い |
インプラント治療の流れ
初診・診断
- レントゲン・CT撮影で骨の厚みや形を評価
- 全身疾患や口腔内の状態を確認し、治療計画を立案
インプラント手術(一次手術)
- 局所麻酔下でフィクスチャー(人工歯根)を埋め込む
- 手術後、骨と結合するのを待つ(オッセオインテグレーション:約3~6か月)
アバットメント装着(二次手術)
- インプラントと骨が結合した後、支台(アバットメント)を装着
上部構造(人工歯)装着
- 精密な型取りを行い、クラウン(人工歯)を作製
- 最終的に装着し、噛み合わせを調整
インプラント治療のメンテナンスと長期予後
- 歯科医院での定期メンテナンス(3~6か月ごと)
- インプラント周囲炎を防ぐために、毎日のセルフケアが重要
- フロスや歯間ブラシを使用し、適切な清掃を行う
まとめ ~ インプラントは歯を失った場合の最良の選択肢の一つ
- 天然歯に近い見た目と機能を再現できる
- 適切なメンテナンスで長期間使用可能
- 外科手術が必要だが、ブリッジや入れ歯と比較して多くのメリットがある
「インプラント治療は、歯を失った場合の最良の選択肢の一つ」
歯を長く健康に保つためにも、専門医と相談しながら最適な治療を選びましょう!