MI治療（削る量を最小限度に ～ 低侵襲な治療）
MI（Minimal Intervention）治療とは、「最小限の侵襲」をコンセプトとした治療方針です。むし歯治療において、従来の方法では感染部分とともに健康な歯質も大きく削ることが一般的でした。しかし、MI治療では、可能な限り歯を削らずに残すことを第一に考え、最小限の介入で最大限の効果を得ることを目的としています。当院では、日本歯周病学会 歯周病専門医である私が、MI治療を軸に「歯髄保存療法」や「精密根管治療」を組み合わせながら、患者様の天然歯を長く残す治療を行っています。マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）やラバーダム防湿を必ず使用し、精密かつ確実な治療を提供している点が当院の強みです。本ページでは、MI治療の詳細や当院のこだわり、使用する技術・設備について詳しく解説していきます。
1. MI治療の基本理念とは？
MI治療は、世界的に推奨される「できるだけ削らずに治す」治療法であり、以下の3つの考えに基づいています。
Minimal Removal（最小限の除去）
健康な歯質をできるだけ残し、削る部分を最小限にする。
Tissue Preservation（組織の保存）
神経（歯髄）や歯根を可能な限り温存し、歯の寿命を延ばす。
Biological Approach（生物学的アプローチ）
歯の自然な再生能力や防御機能を活かし、必要最小限の治療で口腔内環境を整える。
この理念に基づき、精密な診断と高度な治療技術を組み合わせることで、歯へのダメージを最小限に抑えながら、むし歯や歯周病を効果的に治療するのがMI治療の特徴です。
2. MI治療が重要な理由
従来の治療法では、むし歯を完全に除去するために健康な歯質まで削ることが一般的でした。しかし、歯は削るたびに脆くなり、将来的に破折や抜歯のリスクが高まることが分かっています。
MI治療のメリット
- 健康な歯質を最大限に保存できる → 歯の強度が維持される
- 神経を残しやすくなる → 歯髄保存が可能になり、歯の寿命が延びる
- 将来的な歯のダメージを減らせる → 根管治療や抜歯のリスクを低減
このように、MI治療は「一時的にむし歯を治す」だけでなく、将来の健康を見据えた治療であることが特徴です。
3. 当院のMI治療の特徴
① マイクロスコープを用いた精密な治療
当院では、マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）を必ず使用し、細部まで確認しながら治療を行います。肉眼では見えない微細なむし歯の進行を正確に捉え、最小限の削除で治療を完了させることができます。
マイクロスコープを使用するメリット
- 精度の高い診断と治療が可能
- 健康な歯質をより多く残せる
- 再発リスクを大幅に低減できる
② ラバーダム防湿を徹底
ラバーダム防湿とは？
ラバーダムとは、治療中の歯に特殊なゴムのシートを装着し、治療部位を唾液や細菌から隔離する方法です。
ラバーダムを使用するメリット
- 治療部位を無菌状態に保つことができる
- 根管内への唾液混入を防ぎ、治療成功率を向上させる
当院では、すべてのMI治療でラバーダム防湿を徹底し、感染リスクを最小限に抑えた安全な治療を提供しています。
③ MTAセメントの活用
MTA（Mineral Trioxide Aggregate）セメントは、歯髄保存や根管治療で使用される生体親和性の高い材料です。
MTAセメントの特徴
- 高い抗菌作用を持ち、むし歯の再発を防ぐ
- 神経（歯髄）の保存が可能
- 強固な封鎖性を持ち、歯の強度を維持できる
当院では、むし歯の進行具合に応じてMTAセメントを積極的に活用し、可能な限り神経を残す治療を行っています。
4. MI治療の具体的な流れ
当院のMI治療は、以下の流れで行います。
- 精密検査・診断（CT・マイクロスコープを使用）
- ラバーダム防湿を装着し、むし歯を最小限削除
- 高精度のレジンで修復
- 接着力を最大化するための特殊な処理を実施
- マイクロスコープで仕上げを確認し、治療完了
すべてのプロセスで精密な治療を徹底し、患者様の歯を最大限に守ることを目指します。
5. MI治療が適応されるケース
- 小さなむし歯で、歯髄に達していない場合
- 初期の歯髄炎で、神経を残せる可能性がある場合
- なるべく歯を削らずに治療したい場合
まとめ
MI治療は、従来の治療とは異なり、「削る量を最小限に抑え、歯を可能な限り残すこと」を目的としています。当院では、マイクロスコープ、ラバーダム、MTAセメントを活用した高度なMI治療を提供し、患者様の大切な歯を守ります。
もし「歯を削らずに治療したい」「歯の寿命を延ばしたい」とお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。