
重い歯周病で専門医に診てもらいたいという方へ
院長より

1. 歯周病が進行するとどうなるのか?
歯周病の進行段階
歯周病は進行度によって症状が異なり、軽度の炎症から始まり、重度になると歯を支える歯槽骨が大きく破壊されます。特に重度歯周病では、日常生活にも支障をきたすほどの症状が現れることが多く、専門的な治療が必要です。
進行度 | 主な症状 | 歯槽骨の状態 |
---|---|---|
軽度歯周病(歯肉炎) | 歯ぐきの腫れ・出血 | 骨の破壊なし |
中等度歯周病 | 歯ぐきの下がり・口臭・歯の動揺 | 歯槽骨が部分的に吸収 |
重度歯周病 | 強い口臭・歯の大きな動揺・膿の排出 | 歯槽骨の大部分が破壊 |
「重度歯周病では、歯を支える組織が大幅に失われるため、専門的な再生療法が必要になる」
歯周病が全身に及ぼす影響
- 糖尿病を悪化させる(炎症によるインスリン抵抗性の増加)
- 心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高める(歯周病菌が血管内に侵入)
- 誤嚥性肺炎のリスク(高齢者の場合、口腔内細菌が肺に入る)
- アルツハイマー病との関連性(歯周病菌が脳内炎症を引き起こす可能性)
「歯周病は単なる口腔の病気ではなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼす」
2. 重度歯周病の専門治療とは?
精密歯周病検査(CT・位相差顕微鏡診断)
- 歯槽骨の状態を詳細に分析するため、歯科用CTを撮影
- 位相差顕微鏡を用いた口腔内細菌の確認
- プロービング検査(6点法)で歯周ポケットの深さを測定
「一般的な歯周病検査ではわからない詳細な情報を把握し、個別に適した治療計画を立てる」
初期治療(プラーク・歯石の徹底除去)
- スケーリング・ルートプレーニング(SRP)で歯根の歯石を除去
- 徹底したセルフケア指導(正しいブラッシング・フロスの使用)
「初期治療だけで改善するケースも多く、歯周病の進行を食い止めることができる」
歯周外科治療(フラップ手術)
- 歯ぐきを開き、深部の感染組織を除去する外科的処置
- 再生療法を併用し、破壊された組織を回復させる
歯周組織再生療法
- エムドゲイン(Emdogain):歯周組織の再生を促すタンパク質を使用
- GTR法(組織誘導再生法):メンブレン(人工膜)を用いた骨再生療法
- 骨移植術(自家骨・人工骨):歯槽骨が大きく欠損している場合に適用
「抜歯しか選択肢がないと思われた歯でも、歯周組織再生療法によって保存できる可能性がある」
抜歯が必要な場合の対応
- 周囲の骨を温存するため、できるだけ侵襲を抑えた抜歯
- インプラントやブリッジ、義歯による適切な補綴治療
「専門医の判断で、最適な補綴方法を選択し、咬合のバランスを整える」
3. 治療後のメンテナンスが成功の鍵
定期的なプロフェッショナルケア
- GBT(Guided Biofilm Therapy):最新のエアフローメインテナンス
- 歯周病リスクに応じたメンテナンス間隔の設定(3~6ヶ月ごと)
毎日のセルフケアの徹底
- 歯間ブラシ・フロスを活用し、プラークの徹底除去
- 歯科専売の高機能歯磨き粉・洗口液を使用
咬合(噛み合わせ)の管理
- 歯ぎしり・食いしばり対策として、ナイトガードを使用
- 歯列矯正を併用し、噛み合わせのバランスを改善
「適切なメンテナンスと生活習慣の改善で、再発を防ぎ、歯の寿命を延ばすことができる」
4. まとめ ~ 重度歯周病は専門医の治療で改善できる
- ひどい歯周病でも、適切な治療を受けることで歯を残せる可能性がある
- 精密検査を行い、科学的根拠に基づいた治療を選択することが重要
- 歯周組織再生療法を活用し、失われた骨や組織を回復させることができる
- 治療後のメンテナンスが成功の鍵となり、長期的な歯の保存につながる
「ひどい歯周病でお悩みの方は、専門医の診断を受け、適切な治療を開始しましょう!」