
ただ痛いところを治すのではなく、全身の健康を考え、長期的な健康の維持と、生活の質の向上、健康寿命の延伸を目指した治療計画
院長より

1. 口腔の健康が全身の健康を左右する
口腔の健康が全身に及ぼす影響
近年の研究では、口腔の健康が全身の健康に大きな影響を与えることが明らかになっています。
- 歯周病と糖尿病は相互に影響し合い、歯周病治療によって血糖値が改善する
- 歯周病菌が動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高める
- 噛み合わせの乱れが、頭痛・肩こり・顎関節症・姿勢の歪みにつながる
- 噛む刺激が脳の活性化を促し、認知症予防につながる
「口腔の健康を維持することが、全身の健康と直結する」
健康寿命を延ばすための「歯の役割」
日本は世界的に見ても長寿国ですが、「健康寿命」と「平均寿命」の間には大きな差があります。健康寿命とは、介護を必要とせず、自立して生活できる期間のことを指します。
項目 | 日本(平均) |
---|---|
平均寿命 | 84.6歳(男性81.5歳 / 女性87.6歳) |
健康寿命 | 74.1歳(男性72.6歳 / 女性75.5歳) |
差(要介護期間) | 約10年 |
- 歯を失うと、咀嚼機能の低下により栄養バランスが崩れ、筋力低下を招く
- 歯の喪失が多い人ほど、転倒リスクや認知症リスクが高まる
「一本の歯を守ることが、健康寿命を延ばす第一歩となる」
2. 長期的な健康維持を目的とした歯科治療計画
精密検査による包括的診断
- 歯科用CT・マイクロスコープ・咬合診断を活用し、歯の状態を詳細に分析
- 歯周病検査(プロービング)、唾液検査(むし歯リスク判定)を実施
「正確な診断なしに、最適な治療計画は立てられない」
予防歯科の徹底(プロフェッショナルメインテナンス)
- GBT(Guided Biofilm Therapy)によるバイオフィルム除去
- フッ素塗布・シーラント処置によるむし歯予防
- 定期的な歯周病管理とリスク評価
「治療を繰り返すのではなく、”治療が必要ない状態”を作ることが最も重要」
咬合(噛み合わせ)の最適化
- 噛み合わせのズレが全身の不調(顎関節症・肩こり・頭痛)を引き起こすことがある
「正しい噛み合わせが、全身のバランスを整える」
歯周病治療と全身疾患の管理
- エムドゲインやGTR法を用いた歯周組織再生療法の活用
- 糖尿病・心血管疾患を持つ患者への包括的アプローチ
「歯周病治療を行うことで、全身疾患のリスクを低減できる」
長持ちする補綴治療(セラミック・インプラント)
- 天然歯に近い咀嚼機能と審美性を兼ね備えた補綴治療の選択
- インプラント治療による咀嚼機能の回復と、周囲骨の維持
「単に歯を補うのではなく、”長期的に機能する”治療を選択する」
3. 治療後の健康維持 ~ メインテナンスが鍵
リスクレベルに応じたメインテナンス間隔
リスクレベル | メインテナンス頻度 |
---|---|
低リスク(むし歯・歯周病なし) | 6ヶ月~1年ごと |
中リスク(軽度の歯周病・むし歯経験あり) | 3~6ヶ月ごと |
高リスク(重度歯周病・インプラント患者) | 1~3ヶ月ごと |
生活習慣の改善
- バランスの取れた食事(ビタミン・ミネラル摂取)
- 適度な運動とストレス管理が歯周病リスクを低減
4. まとめ ~ 口腔から始める健康寿命の延伸
- 「痛みが出たら治療する」ではなく、予防と管理を重視することが重要
- 精密検査と包括的診断に基づいた、個別最適化された治療計画を立案
- 咬合のバランスを整え、全身の健康を考えた治療を実施
- 適切なメインテナンスと生活習慣の改善で、健康寿命を延ばす
「口腔の健康を守ることが、全身の健康と人生の質を向上させる第一歩です。」